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●H.Mさんにその後の近況を頂きました。
 
                                                 IMS治療(その2)2016.3.23
 
 
 梅雨の低い雲が切れて明るくなった夕方、静かに温泉につかっている。黄色いケロリンの湯桶を風呂の淵に置くとカランと心地良い音が響く。傍らでかけ流しの湯が静かに流れている。目を閉じて鉄分の混じった硫黄泉のにおいをかぎながら、ようやくここまで来たという気持ちに浸っていた。昨年春に、「IMS治療その1」を書いた。
 そしてその年7月、ついに山に咲く花を見にハイキングに行くことができた。冒頭の文は、山から戻って宿の風呂につかった時の様子である。歩行3時間、標高差200m、筋肉疲労は感じるものの、脚の状態は良好。発症時から悩まされてきた下腿のしびれは残るものの、歩行の妨げにはならなくなっていた。
 そして今、痛みの現れ方(症状)がどう変化しても、それは体が「ここを治療して!」と訴えていると思えるようになってきた。普段のケアを怠らず、鍼治療を続けていけば、また一段と楽になれると確信できるようになってきた。たぶん、自分は長い時間をかけて少しずつ筋肉を傷めてきたのだと思う。そして傷んでバランスを欠いてしまった筋肉たちがその時その時一番に治療すべき部分を痛みで知らせている。ただ、傷んだ筋肉も精いっぱい痛みを訴えるので、その痛みの強さから自分ではなかなか良くなっていると確信することができなかったり、自分がやっていることは正しいのだろうかと心が揺れたりした。ここが治療に時間のかかる病の難しいところなのかもしれない。
例えば、最近、背中のコリが以前より上の方まで広がってきた。強いコリなので、これだけ考えると痛みが広がったのかと思える。でも、体全体として悪化しているわけではない。
 今日は鍼治療を受ける前に新橋界隈から芝大門まで2時間以上歩いてきた。山歩きの実績もさらに積み上がってきている。鍼治療を受け始めた時、駅の改札からホームまでがなんと長く感じられたことか。この痛みを死ぬまで引きずるのかと思い幾たび暗い気分になったことか。そこから考えたら、明らかに改善し続けている。
 それにしてもIMS治療は痛い!これだけよくなっても、今日の治療で痛くて何度叫んだことか。IMSが一瞬にしてすべての苦痛から解放してくれる夢の治療法でもあるかのような報道もあるようだが、そんな治療法があったら私も飛んでいきたい。私の場合、今日でIMSの治療は75回目だ。症状が慢性化した以上、そう簡単には良くならない。でも、私は痛みのない体に戻ってみせると決めた。また山や森を楽しむと決めたのだ。 せっかくだから國分先生のおしゃべりを楽しみながら治療を続けていこうと思っている。
 
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